昭和47年(西暦1972年)10月、二代目中村鴈治郎さんの妹、中村芳子さんのご紹介で長谷川一夫先生に会い、中村雪之亟襲名のご挨拶をした。
長谷川一夫先生には「(私の主演の映画)「雪之亟変化」で話題の作品だから、私が一代目ということで、二代目を名乗られたらどうですか?」と言っていただき、また関係各所、三上於菟吉先生のご遺族の了解もあり、襲名公演で二代目 中村雪之亟が誕生することとなった。長谷川先生にはその後も女形の細かい仕草など、いろいろと教えていただき指導を受けました。
中村雪之亟は、三上於菟吉が1934年(昭和9年)から1935年(昭和10年)まで朝日新聞夕刊で連載した小説、 「雪之亟変化(ゆきのじょうへんげ)」の主人公。 女性の様に美しく、学有り、剣達者の歌舞伎の女形役者である。 1972年(昭和47年)長谷川一夫先生を一代目とし、襲名のご挨拶を経て、襲名公演で二代目中村雪之亟が誕生した。